2021年秋、Twitterやテレビで話題となった短歌カードゲーム「57577」(幻冬舎)。
「短歌で遊べるの?」「短歌を作って何が楽しいの?」と思う方もいるはず。
我々夫婦も同じ疑問を抱いていたため、購入して2人でやってみると、

短歌なのにおもしろい!!
という感想を抱きました。
この記事では、「57577」のセット内容や特徴だけでなく、実際に遊んでみた様子を細かく載せています。
勉強できるできない関係なく盛り上がれる、かるたとは全く違う短歌ゲームを是非体感してください!
- 「57577」のセット内容
- 「57577」を遊んでみた様子
- 「57577」の長所と短所



何回か遊んだ人向けの記事は別に書きました。
遊び慣れた人はこちらもどうぞ。


開封してみた
実物がこちら。




配色がかわいいですね。裏面には簡単なルール説明が。
短歌により親しんでほしい!という開発者の意気込みを感じます。


開封すると、説明書、5文字のカード54枚、7文字のカード54枚が出てきます。
かわいいイラストだけでなく、発音できるように、ローマ字表記もされていますね。
ルビまで振ってあって、子どもでも楽しめそうです。
ルール
基本の個人戦ルールは以下の通り。
- 5文字のカードと、7文字のカードを5枚ずつ場に並べます。
- 5文字のカードを2枚ずつ、7文字のカードを3枚ずつ配ります。
- 最初のプレイヤーをじゃんけんでも何でもいいので決めます。
※3人以上で遊ぶ時は、最初のプレイヤーから時計回りだそうです。 - 自分の手札から、場に出ている札と交換したい札を選んで交換します。
一度に交換できるのは3枚までです。7文字のカードを3枚交換してもよさそうです。 - 順番にプレイヤーが手札を場の札を交換し、2周したら終了です。
- 完成した短歌を見せ合って、順位や勝敗をつけます。



「個人戦」だけでなく、「団体戦」や「リモートモード」まで!
2021年7月に発売されただけあって、時勢が反映されています。
「自分の今の手札で最高傑作が出来ている!」という時は「パス」と宣言し、交換をスキップできます。
「場にある札、交換したいものがない……」という時は「流れ」と宣言します。
「流れ」を宣言すると、5文字か7文字のどちらかの場の札がすべて流れます。そして、山札から新しく5枚が場に並びます。
「流れ」をしたプレイヤーは流してリセットした場の札と自分の手札を必ず1枚は交換しないといけません。



「流れ」が重要そう!
実際に遊んでみた
中山夫婦杯 短歌王決定戦、2回戦勝負を行います。
1回戦の設定
1番勝負:テーマ「おもしろ系」
とにかく面白ければ勝ちです。
まず作られた場の様子がこちら。





面白系を作るのに、場がエモ過ぎないか?
場には、「目が合えば」や「夏のはじまり」など、エモ系が多かったです。
1回戦の様子
れいの初期手札はこちら。


仕方なく 君と出会った ぼくたちは
海を見ながら おやすみなさい
れい
海のコテージにいるのでしょうか? 仕方なく君と出会った??
お粗末さまです。
ここから、2回の交換で「おもしろ系」な短歌にしなければなりません。
そこで、いきなりの必殺技をかまします!



流れ!(場の5枚のカードをすべて流して、山札から5枚のカードを新たに場に並べる荒っぽい技)
そして、7音に技を発動させた後の場は次のようになりました。


「カモンベイベー」や「転生したら」などのおもしろ枠が場に並びました。
長考した結果、以下のような短歌に変わりました。


仕方なく 海を見ながら ぼくたちは
既読無視する おやすみなさい
れい
よりワケのわからん短歌になりました。



長考したのに、作品の意味がよりわからなくなった‥‥
ゆうがその後交換し、再度れいのターン。
交換をし、以下のような作品が誕生しました。


仕方なく 幽霊たちが ルームシェア
転生したら おやすみなさい
れい



おもしろくもないし、意味もわからん‥‥。
これに対し、ゆうの作品はこちら。


姫君と カニが食べたい 犯人は
海を見ながら カモンベイベー
ゆう
お姫様とカニを食べたいという夢を持つ犯人。
海を見ながらカモンベイベーしたのは、念願のお姫様か!? それとも警察か!?



登場人物こそ愉快なことになっていますが、意味は通っているし、”含み”もある良い短歌ですね。
ということで、1回戦のおもしろ対決はゆうの勝利!



れいの「流れ」による「カモンベイベー」が、作品を面白くさせてくれました。
2回戦の設定
2番勝負:テーマ「芸術系」
打って変わって、芸術系。エモい作品を目指しましょう。
作られた場の様子はこちら。


「秋の夕暮れ」「君が深夜に」などなど、エモい素材が並んでいます。
2回戦の様子
ゆうの最初の手札を見てみましょう。


ぼくたちは 徹夜に決まり 犯人は
ムーンウォークで カモンベイベー
ゆう
面白枠が並びました。ここから2ターンでエモいを目指すのは至難の技では……?
「カモンベイベー」が大きな足かせとなっています。



さっそく交換しました。さようなら「カモンベイベー」


ぼくたちは 秋の夕暮れ くり返す
神様でさえ ムーンウォークで
ゆう
3枚という最大限の交換をして作り上げました。
「神様でさえ」という文言が少しエモい。
それでも存在感を(異彩を)放つ、 「ムーンウォークで」。



ムーンウォークの交換が後回しになるほどのおもしろ初期手札。
そして2回目の交換を経て完成した作品がこちら。


ぼくたちは 秋の夕暮れ くり返す
神様でさえ 黄昏どきに
ゆう
……。笑いにもなれず、ぱっと見芸術点は高そうですが、ぶっちゃけ何を伝えたいのか分からず。



毎日の価値は神様でさえも同じ。
時間の経ち方も同じ。
我々人間と神様は平等であることを詠っている・・・という解釈で良いかな?
では、れいの完成させた短歌も見てみましょう。


いとエモし 夏のはじまり 仕方なく
海を見ながら 行けたら行くわ
れい
「いとエモし」反則では?



夏休みの始まる終業式、クラスの男子に花火大会に誘われた私。
他人から見たら「青春」「いとエモい」って感じ。
でも、その男子に興味ない私。どう断るか考えながら男子から目をそらして視線は海に逃げる。
仕方なく言った断り文句は「行けたら行くわ。」
という感じでしょうか。



自分でもそこまで深く考えていませんでした。
だがしかし、そう解説されると芸術点が高そう!
夏のさわやかなエモい短歌が完成しました。
ということで、2回戦はれいの勝利!
まとめ
「個人戦」を実際にやってみてわかった、「57577」の長所を3点。
- 出てくる言葉が遊び心満載。
- 勉強感がなく楽しめるため、予想よりも面白い。
- 「#ゴーシチ」というハッシュタグで、他の人が作った作品も見られる。
逆に短所もいくつか挙がりました。
- 紙が薄すぎて、扱いづらい
- 盛り上げるためのゲームなので、若干カードの内容が面白枠多め
カードゲームとして、紙が薄いのはゲームの進行上デメリットとなります。
タオルを敷いたり、カーペットの上で遊ぶなどの工夫が必要です。



我が家では、撮影のとき以外、COOKIE STACKERと同様のプレイマットを使いました。


また、面白い言葉が多かったので、芸術作品はなかなか作りづらいです。
芸術系を目指すならブランクカードを活用しましょう。
5文字と7文字のブランクカードが、4枚ずつ入っています。




定価1600円(税別)ではありますが、その値段に負けない商品となっています。
対象人数は3~8人ですが、2人からでも十分楽しめるので、ご夫婦にもおススメです!
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